「オレとキミが初めて逢った時のこと、覚えてるかな……?」
私はうなずいて
「学校の廊下で……」
先生は嬉しそうに笑みを浮かべ
「そうだ。
覚えててくれたんだね。
結は覚えてなかったけどなぁ…」
「え?」
結は覚えてなかった?
「実は結はオレの教え子でね
出逢いもキミとまったく同じ
学校の廊下でぶつかったんだ」
優しい目をした先生の横顔
掠れてても その穏やかな口調に
先生と結の「奇跡の話」
思い出の中に引き込まれて行く
結に一目惚れして
長いこと中学生みたいな見てるだけの片思いをした日々
結が3年になって
やっと近づけたこと
公園で告白されて
誰にも内緒で付き合い始め
結婚を反対した両親と縁を切り
身寄りのない結と結婚したこと
そして
なかなか出来なかった子供を授かり、失ってから始まった苦悩
優しく 切なく
とても 愛おしい ふたりの日々
愛して 愛されて
守り 守られた
残されたわずかな時……………



