似てるなんて次元じゃない
遺影を見上げ
立ち尽くしてたけど
ゆっくり振り返り
ベッドに横になってる
先生を見つめる
お互いに何も言葉が出なくて
何とも言えない静けさが
寝室を包んだ
先に目を逸らしたのは私だった
途方に暮れた気持ちで
紺色のソックスの爪先に
視線を落とす
先生がベッドの上、
少し動いたんだろう
ギシッと
ベッドの軋む音がした時
ある事に気づく
寝室を ぐるり見渡して
ダブルベッドに
ドレッサー………
閉められたカーテンは
女の子が選んだような
黄色い可愛い物だった
………この部屋
時間が止まってる
見れば すぐに わかる
この部屋は『結』が生きていた頃と何一つ変わっていない
16年前は
『結』と寝起きしたベッドで
今は1人きり
眠り、目が覚める先生が
先生の独りが
今、私の前に広がって
私と同じ姿をした『結』を見たショックよりも
16年も この時間が止まった部屋にいた先生が
ショックだった――――――



