――――――――ガチャン…
「し、失礼します……」
ゆっくり開いたドアの向こう
カーテンを閉めた薄暗い部屋
先生がさっきまで着てた物が床に散らばり
パジャマ姿で先生はダブルベッドで眠ってる
「先生、起きて……」
部屋を三歩入って
「―――――――――…っ」
ドックン
心臓が一度大きく鳴り
そして止まった――――――
そう感じるほど驚いた
先生が私に見られたくない物は
これだ……………………
ベッドと向かい合う形で置かれ
眠る先生を見守る
仏壇の上の遺影
幸せそうに微笑む
その人は私―――――――――――――――
「…………ごめんね
…驚かせたね………」
背中から聞こえた掠れた声に
思わずビクッと身体を固くした
「せん…せ………
この……人………」
どうしても震える声に
のどに添えた手も細かく震える
「『結』だよ
今年で、もう亡くなって16年になったオレの妻だ」
―――――ああ……って
その場に崩れ落ちそうになった
病院であのお医者さんが
言った言葉を一気に理解した
私は 『結さん』そのもの だった



