売店のビニール袋を下げ
エスカレーターに乗り
瞬きしたまぶたの裏
浮かぶ先生の後悔した顔
先生
もう先生が言わなくても
わかるよ……………
だから
そんな顔しないで――――――――――――――
点滴室に戻ると
先生は すやすや眠ってて
………なぁんだって
少し力が抜けた
買ってきた物をベッドの足元のかごに置き
椅子に座る
…………先生の寝顔だぁ
固く閉じたまぶた
薄く開いた乾いた唇
先生が呼吸するたび
上下する布団
あぁ、なんだろうなぁ
胸の奥、じわっと温かい
自然と頬が緩み
笑ってしまう
「良かったね
インフルエンザじゃなくて」
小さな声で呟いて
上下する布団を
ポンポン優しくたたいた
好きだって思った
それは本当に自然に
私は先生が好きだって……
きっと初めて逢った
あの学校の廊下から
先生の目に
私は一度も
映っていなかったんだよね?
先生の目は
私を見ていなかった
だから あんなに優しい目をしていたんだよね?
私じゃなく『結』を見てたから



