『おかえり
遅かったねぇ、結』
『結』は先生の―――――――――――――――――
表情を失くした先生の横顔に
「先生、ほら行こう」
と声をかける
驚いたように
私に視線を向けたから
グイッと先生の腕を掴み
「ほらほら、早く行って
座ろう。」
引っ張って歩き出す
だけど、先生は腕を振り払い
何か後悔してるような苦い表情を浮かべた
「…山本………」
何も訊かないよ?
今は何も訊かない
そんな顔した先生から
私は何も訊かないから
お願い
そんな顔しないで先生
「早くしないと………
藤代ウイルス院内感染の危機だよ!」
茶化すように言って
私はまた先生の腕を掴み
さっきより強く引っ張って
「おとなしく、別室で待ってよ?
先生…………」
先生はもうただ黙って
私に手をひかれてた



