あの お医者さん
先生の知り合いかな?
驚いた表情をゆっくり崩して笑い医師は先生に近寄る
「藤代さんですよね?
いや、久しぶりだ」
先生も頭を下げて
「田所先生、その節は大変お世話になりました」
「いやいや、結局、私は何も…………………」
田所先生と呼ばれた医師が
先生から隣にいる私に
視線を移した時
「―――――――っっ!
………結さん………?」
「えっ?」
まるで幽霊でも見たような
そんな表情を
田所先生は私に向けて
藤代先生は慌てたように
「田所先生……」
「あ…いや、結さんなわけない
でも………
似てるって次元じゃない
―――――結さんそのもの…」
「田所先生っ!」
ビクッ
藤代先生の剣幕ぶりに
私は身体が震えた
「………彼女は教え子です…」
絞り出すように言った藤代先生の言葉に
重い沈黙に包まれる
「……それでは、すみません
私はこれで」
取り繕うように頭を下げて
田所先生は そそくさと
診察室の方へ消えた
結さん
それは きっと 私に似た人
……………そして 多分
『結さん』は―――――――――――――――



