廊下を走って
生徒玄関の靴箱を乱暴に開ける
パァンッと
地面に打ち付けるように
ローファーをおいて
足を押し込む
こんな時に限って
すんなり足が入らない
かかとを踏んづけて
ヨロヨロ学校を飛び出す
正門の真正面のバス停
時間を確認すると
次のバスまで あと15分
そんなに待っていられないよ
踏んづけたかかとを直して
家に向かって走り出す
めくれ上がるスカートも構わず
疾風のような私は
(自分で言っちゃう?)
オリンピック選手か
24時間テレビの
マラソンランナー
「ハァ……ハァ……ハァ……」
息が上がって、胸がヒリヒリ痛んで、ふくらはぎが張ってきても
マンションの部屋に独りで
ぐったり眠る
藤代先生のイメージが
頭から離れなくて
腕も足もバラバラになるんじゃないかってくらい走った



