体育館に整列して
始業式が始まる
壇上に髪の薄い顔がテカテカに光った校長先生が立ちだらだらと長話をしてる
体育館の壁際に視線を移し
教職員が整列してる中
自然と探してしまう
大好きな人
ぼんやり つまらなさそうに
壇上を横目で見て
始業式だから
今日はスーツなんだね
ネクタイ締めたらやっぱり
雰囲気変わって
ドキドキする…………
そんな私の熱い視線のせいかな
先生はゆっくり
こちらに視線を向けた
ドックン…
目と目が合った瞬間
心臓が大きな音をたてた
どうしてだろう
同じ服着た人の中
私は紛れているのに
先生は迷うことなく
私の視線を
探しあててしまうんだね
私が迷惑なクセに
私のことなんて子供としか想ってないクセに
そうやって
少し困ったような
優しい顔で笑うのは
ズルいよ――――――――
先生のね
そんな小さな小さな仕草で
私の
恋を終わりにした
大きな大きな決心が
簡単に揺れてしまうんだよ?
先生
優しく笑って
私を見てるけど
1mmだって私の気持ちに
気付いてないでしょう?
鈍感な人



