夏休みも終わりに近づいた
その日の夕方も
私は玄関で耳を澄ませていた
ザッ、ザッ、ザッ
マンションの通路をこちらへ近づいてくる足音
だけど、藤代先生よりも
少し引きずる摺り足のような
きっと これは藤代先生じゃない
そう思ってると
ピンポーン
家のインターホンが鳴り
ドアのレンズをのぞくと
修ちゃんが立っていた
少し慌てて鍵を開け
ドアを開く
「修ちゃん。急にどうしたの?」
私が開けたドアを片手で掴んで
「母さんがキッズに」
手に持ってるトートバッグを修ちゃんは少し掲げた
「え?なぁに?」
バッグを受け取りながら聞くと
「晩飯のおかずだよ。
ちなみに二人分
オレもキッズと一緒に食べようと思って」
「わぁ~。すごい嬉しい」
叔母さんのおかずかぁ。
一人暮らしで感じるのは
やっぱり家事をしてくれる人がいた ありがたさ
自分のための料理が
これほど つまらない物で
誰かが作ってくれた物が
どれだけ嬉しいか
親と暮らしてた時は
知らなかった



