「宇佐美………」
「だってヤバいでしょ?
30も上のオッサン好きだって
絆の高校生活、先生のせいで
無駄になるよ」
「宇佐美。オレは」
オレは絆のことを
何とも思って………
――――――先生!
なんでだよ?
なんで絆の声が笑顔が
こんなにも脳裏をよぎるんだ?
「オレ、地元の大学受けるし
それは絆のそばにいたいから」
ガタン
宇佐美は立ち上がり
「オレは
絆のこと大切に出来ます
絆と同じ時を同じ歩調で歩くことが出来る
藤代先生には出来ませんよね?」
何も言わないオレを
見下すように
「絆にちょっかい出さないでね、先生。
オレが絆と恋をするから」
言いたいことを言って
宇佐美は帰って行った
話って、オレに釘をさすことか
絆がオレのこと好きだなんて
その一言ですっかり心は乱れて
この場所から立ち上がることすら出来ない
オレが愛してるのは
生涯、結 ただ一人
ただ一人だけど――――――



