お昼休み
焼きそばパンを食べ終えて、ビニールの袋をクシャクシャに丸めてゴミ箱に捨て
席に戻ると紗智が
「ん」ってポッキーの箱を私に差し出した
ポッキー………
ポッキー………
ダイエット
私はフルフル首を横に振って
「いらない」
カタンと椅子に座った
「え~。食べないの?」
紗智はポッキーを口にくわえて
組んだ足の上に雑誌を開いて
不思議そうな顔をした
「ダイエット中ですから」
机の上のポッキーが目に入らないように
ふぃって顔を背けた
「ダイエット………
ふ~ん。そういう事か」
紗智は意味ありげな表情で何度もうなずいた
「なによぉ、その顔」
私が唇をとがらせると
涼しい表情で膝の上の雑誌に視線を落とし
「ま。せいぜい、頑張んな
………無駄な努力とは思うけど」
紗智の言葉にム~~~っと来て
「なによぉ。痩せるよ私」
「違うって」
「え?」
違う?
ダイエットの事じゃないの?
紗智は雑誌を捲りながら
「柊ちゃんでしょ。
絶対、無駄だからさ。
楽しい高校生活を無駄な恋に捧げるのは可哀想だなと思って」



