「あのさ、さっきクラスの女の子に聞いたんだけど、昨日のLHRの時の話!」


「昨日のLHR」というところで彼の眉が少しだけ動いた。


ちゃんと聞いてくれているようだ。


しかも、初リアクション。


地味過ぎるけど。


「一条が私のことを指名したって、本当!?」


私がそう言うと、彼はピタッと歩くのをやめた。


おお……私の話にやっと耳を傾けてくれる気になったのか一条よ。