「先生、俺。今年も先生の写真が撮りたいんですけど」 「だめだよ。去年一回きりって約束したでしょ」 す、ととーこちゃんは俺の腕の中から抜け出ていって。 困ったように笑って、そう言った。 しゃきんと背筋を伸ばして俺を見据えるとーこちゃんからは、先生の香りしかしなくて。 さっきしたキスも、抱きしめた華奢だったとーこちゃんの感触も、(と言っても、俺はあの身体をもっと近くであの夜見たわけだけど)すべてが白昼夢のようだった。