「こけちゃったね!あはは」

「あははじゃないっすよ!ほんとなんなんですか、あんた!」

「……ほんと、なにやってんだ、おまえら」


頭上から本当に呆れたような声が降ってきて、俺はなんとか視線を上げた。
残念なことに俺の体の上にはのんきにとーこちゃんが覆いかぶさっていて、起き上がることは諦めた。


「朋久先輩!」ととーこちゃんは嬉しそうな声をあげる。

朋兄は「おー」とか「とうとう生徒に手ぇ出したのか」とか、犬の子を相手にしているかのようにとーこちゃんにおざなりに返答して、にやっと笑って、俺を見た。