とーこちゃんがいなくなった学校は、しばらくはざわめいていたけれど、ありがたいことに夏休みに突入してしまったから、夏が明けたころにはすっかり噂は沈静されていた。

朋兄は、人の噂なんてそんなもんだと清々した顔で、でも少しだけ寂しそうにそう言った。

けれど俺たちは、受験生だから。今はしなければならないことがたくさんで、山積みで。

だから後ばかりを見て入られなかった。