でもその半年後、きっと片瀬くんはあたしを受け入れるために微笑んでくれているのだろうなと、あたしは思った。


何もあたしのことを聞いてこなかった、あのやさしくて大切な愛し子の気持ちを裏切らないようにあたしもスタートを切らなければならないことを、悟る。


片瀬くんは確かに、あたしの中の世界を壊していった。

それはあたしの中の終わりで、新しい何かの始まり。

やさしさに包まれたそれにうずもれるほど、近くなれる日は、いつになるのかは分からないけれど。


それはひどく幸せな、未来に思えた。