「先輩、もし、もしもね、あたしが変な方向に走り出そうとしたら、止めてくれる?」


先輩は、目を軽く瞠って、そのあと穏やかに笑った。ぴんとひとつ。あたしのおでこにでこピンをかますっていう、いたずらはしてくれたけど。


「それはきっと、秋葉の役目なんだろうけどな。
秋葉が止められなくて、お前ら2人でもつれたまま転がっていったら、俺が身体はって受け止めてやるよ」



だから安心しろ。

そういった先輩の声は、まるで神様みたいだった。