あたしを見る他の先生方の目は厳しいものが多くて。
これだから若い教師は。生徒に甘い顔ばかり見せるから。と散々言われたけれどあたしは相変わらず何も感じなくて。
ただ面倒くさいなって思ってた。

あたしが生きる日常はいつだって、どこか不透明で、現実感が乏しかった。


「軽いほうだろ。特に秋葉は成績優秀だからな、こんなのつけたくはなかったと思うけど。ま、しょうがないだろ。先に手を出したのはあいつなんだろ?」


朋久先輩は誰も人がいなくなった国語科の準備室で勝手に入れたコーヒーを飲みながらそう言って。
あたしはただ曖昧に笑って頷いた。

そう。あんな片瀬くん、誰が想像しただろう?