* 繁華街に出て、俺はひとつ。致命的なことに気がついた。 「おれ、先生の携帯とか知らないし!」 朋兄に聞けばよかった。聞いても教えてはくれなさそうな気もするけど。 金曜日の夜の今日。日頃よりも人の多いこの場所で、ツールもなくとーこちゃんを探し出すなんて、途方もないことのように思えた。 けど。諦めたくはない。 俺は思いついて、携帯を取り出してひとつのアドレスを呼び出した。