お兄ちゃんの気持ち

遠くまで見渡せる展望タワー。

階段の先に広がる花畑。

当時よりアスレチックの分広くなった公園は、子供たちが沢山走り回っていた。

「なかなか綺麗だね」

色とりどりのチューリップに、形も色々あって。

「これ、可愛い!」

携帯のカメラで写真を沢山とる私に、呆れることなく付き合ってくれた。

手を繋いで花壇をみてまわり、川の近くに設置されたベンチでお弁当を食べた。

いつもと変わらない、簡単なお弁当だけど。

会社で食べるのとはまた違って、おいしく感じるから不思議。

「すこし運動するか?」

「え?運動?」

お茶を飲んで一服したあと、離れたところにあるアスレチックを見ながら、コウスケさんが荷物をまとめて。

「アスレチック!?」

子供たちが遊んでいるアスレチックの一角が、どうやら大人向けに高度にできているようで。
中学生位の大きい子や、カップルが遊んでいる場所があった。

アスレチックなんて久しぶりな私はなんだか嬉しくなって。

荷物をまとめてから、2人で汗をかくまでアスレチックを楽しんだ。

「久しぶりに公園で汗をかいた!」

自販機で買った冷たいドリンクを飲みながら、コウスケさんが爽やかに笑っていて。

「うん、気持ちよかった!」

汗を拭きながら、私の顔も笑顔になる。

しばらく川を眺めながら休憩して。

並んで座る私達の側を、ボールを追いかけながら小さな子が走って行った。

「カナコちゃん」

きゅっと私の手を握ったコウスケさんは、私の方は見てなくて。

近くで走り回っている小さな子を目で追っていた。

「いつか、親子で来ような」

「…うん」

いつの日かわからないけど、コウスケさんと私と、私達の赤ちゃんと。

並んで手を繋いで歩きたいな。

いつか、ね。



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