家に帰ると制服のブラウスと俺のワイシャツにアイロンをかけているカナコがいて。
「まだ起きていたの?」
遅くなったからもう寝ていると思っていた俺は、テレビを見ながら俺を迎えてくれたカナコの頭をぽんっと叩いた。
「うん、これが終わったら寝るつもり」
テレビを真剣に見ているその手は、アイロンを握りしめたままで。
アイロン台の上にあるシャツは、まだしわくちゃなままだ。
いつからこの状態なんだろう?
「カナコ、危ないよ」
「うん、わかってる。でも今いいところだから」
はやりのドラマなんて見るようになったんだ、なんて思いながらテレビ画面を見ると、綺麗な女優さんが泣きながら相手役のアイドルにしがみついている所で。
「やっぱ振られちゃうんだねぇ…」
ぽつりとつぶやいたカナコの言葉に、ついさっき断った彼女の後姿を思い出してしまう。
テレビドラマのように、泣けちゃうほど誰かを好きになることって、よくあるんだろうか。
自分の気持ちを抑えられないほどの、気持ち。
「まだ起きていたの?」
遅くなったからもう寝ていると思っていた俺は、テレビを見ながら俺を迎えてくれたカナコの頭をぽんっと叩いた。
「うん、これが終わったら寝るつもり」
テレビを真剣に見ているその手は、アイロンを握りしめたままで。
アイロン台の上にあるシャツは、まだしわくちゃなままだ。
いつからこの状態なんだろう?
「カナコ、危ないよ」
「うん、わかってる。でも今いいところだから」
はやりのドラマなんて見るようになったんだ、なんて思いながらテレビ画面を見ると、綺麗な女優さんが泣きながら相手役のアイドルにしがみついている所で。
「やっぱ振られちゃうんだねぇ…」
ぽつりとつぶやいたカナコの言葉に、ついさっき断った彼女の後姿を思い出してしまう。
テレビドラマのように、泣けちゃうほど誰かを好きになることって、よくあるんだろうか。
自分の気持ちを抑えられないほどの、気持ち。

