**Ran**



俺はハンカチを取り出し
パッパッとはらい彼女に返した


「…ありがと
ちゃんと洗ったから…」


「いいよ~♪」


このあとの会話…

すでに俺の心臓は爆発寸前だ


「…ら、蘭の花、好きなのか?」


初めて彼女に問いかけた


「うん!
なんかあたしが落ち込んでるときとかこの花みたら
「「元気だせッ!蘭はこんな風に咲かなきゃいけないんだよ」」って言ってるみたいでさッ」


彼女は微笑んで蘭の花を見つめる

とてもかわいくて
吸い込まれそうだ

「そっちは?
蘭の花好き?」


蘭の花じゃなくて
蘭が好き…
なんてこと再び口が裂けても言えねえ…


「まッまあな!」


「そっかあ~
なんかあたしたち気があうね!
同じ「「ラン」」って名前だし!」


彼女はまた笑った。

彼女が笑うと俺はとても穏やかな気持ちになる


「…南崎」


「ふふッ
蘭でいいよ!」


俺は嬉しくて死にそうだった


「んじゃ…蘭…」