『遠・距・離・恋・愛』

「ミキはまだ18なんだ。夢もある。俺の気持ちを押し付ける訳にはいかない。」



俺の話しを聞くなり、三上は軽く笑った。



「馬鹿だね、君。」



「はぁ?!」



完全に自分を見失っていた。



俺は三上の襟元を掴み、窓に身体を押し付けた。



そんな挑発に三上は顔色一つも変わらない。
むしろ歓迎したような顔をしてる。



「もし、ミキの本当の気持ちが、君に着いて行きたいって思ってたら?」



「…………!」



三上は一瞬だけ俺の顔色が変わった事を見逃さなかったのか、話しを続けた。



「彼女が淋しい時、すぐに傍で慰めること出来るのか?会いたい時にすぐ会えるのか?」



返す言葉が無かった。



二人で何度も話して決めて、そのことでお互いの強い気持ちに信じる絆が出来たと思っていたが、



足元からじわじわと崩れてしまう気がした。