蘭さんが連れて行ってくれたラーメン屋さんは、屋台だった。




「お金持ちもこういうとこに来るんですねー」




「ん?普通よ?あ、でも可燐さんとかは来ないなぁ」




「へー。やっぱり」




「うん。前に一度誘った事があるんだけど、ここに着いたら即却下させられて、結局は愁弥と二人で食べたの」




しゅ、愁と二人で!?




一体蘭さんは愁のなんなの!?




聞きたい事がいっぱいあったけど、ラーメンがきたから聞けなかった。




「蘭さんって好きな人とかいるんですか?」




あたしは一番聞きたかった事をたずねた。




「うち!?…さぁーどーだろーね?じゃあ、亜音はいるの?特別な人」




特別な……人?




一瞬脳裏に愁の顔が写ったような気がした。




「いませんよー!」




「え、そうなの?なんか亜音いそうな感じするのにー」




「えぇー何ですか、それー(笑)」




蘭さんと食べたラーメンは、ちょっぴり塩辛かった。