「・・・稜、ごめん。
いじわるな言い方をして
ごめん、大人気なかったね」

と僕の涙を拭ってくれた。

『僕は繭のことが好きだよ』
と言ったら

「うん、ありがとう」
と目が優しくなったんだ。

でも僕は繭に

『あのさ、繭気づいてたよね?!
僕をからかって遊んでるの?
ありがとうじゃなくて
否定するならさ、
ちゃんとして欲しいんだけど!』

とキレてしまった・・・

あぁ~
僕はどこまで子供なんだろう。

「ごめんね・・・でも稜のことは
自分でもよくわからない。
可愛いと思うし、気にいってる
好きだとも思うけど、
愛してるかと言われたら・・・

それが素直な気持ちだよ。
でも稜はこういう返事を待って
るんじゃないよね?

でもそのことで稜を傷つけるん
だったらもう会うのはやめよう・・・」

と繭に言われた。

『何で・・・そんなこと言うの?
ずるいよ繭・・・そんな言い方
ずるい・・・
だったら嫌いって言われた方が
まだスッキリする・・・』

僕の目からとめどなく涙が
溢れていて、そんな僕を見て
繭が嫌いって言えるはずもないのに
僕は自分でもずるいと思った。

繭のひんやりとした綺麗な手が
僕の両頬に触れ。

「稜・・・泣かないで」

僕は繭の目をまっすぐ見つめていた。


そして僕は気がついた。
自分が本気で好きな人の感情は
僕には読めないということに・・・


冷静にはなれない