SIDE 沙弓

   
   「この世界が私中心に、動いていれば・・・」
   こんな考えを持っている私は、自己中なのかもしれない。
   だけど・・・
   私がしたこと全て正しくなったり・・そんな世界って、誰もが、憧れると思うの。


   それは良く晴れた日の事―
   「沙弓って、好きな人とかいるの?」
   親友の亜莉紗が聞いてくる。
   私は、好きな人は誰にも言わない。そう、心に決めていた。
   好きな人を言いふらせれて、恥かしい想いをする・・・あぁ馬鹿らしい。
   「いる訳ないじゃん。」
   私の答えを無視して喋り続ける亜莉紗。
   「えぇ!嘘つき!俊也君でしょ?」
   私の顔は、赤くなってたかな。
   「態度でバレバレだよ!」
   「ちっ・・違うよぉ・・」
   「もう。照れちゃってぇ。」
   私の心の誓いは、ガタガタと、崩れていった。
   「ねぇ。沙弓の好きな人、俊也君だってぇ!!」
   やっ・・止めてぇぇぇ!!!!!