「ねぇ、何がいいの?一応何でも作れるんだよ」


「知ってる」


「あ、そうだよね。ずっと作ってたんだもんね」


たった一言『知ってる』の言葉に
目尻を緩ませ嬉しそうにすんのな。


毎回見るたびに表情が変わって
いつ見ても飽きないな。


「…和食だ。和食がいいな」


「了解。じゃあ、和食を作る事にする。買い物気をつけてね」


「…お前もな」


「大丈夫大丈夫。ありがとう」


俺はホールを後にし
車庫に停めてある車のキーを開いた。