star dust

ありがとう,と言う気をなくした俺は笑っている2人を横目にプレゼントだというピンクの袋の包装をとく



「これ間違い…?」


袋の中に入っていた箱からどう見ても女物であろうネックレスを手に取り,呼吸を整えているおかあさんの前にチラつかせる


あぁ,と口にしたおかあさんは再度呼吸を整えるために大きく深呼吸をし,先程まで大笑いしていた顔は穏やかなものへと変わっていた



「それは音緒が大切だと思った人にあげてほしいの
 で,そのネックレスを付けた子と会いにきてくれると嬉しいな」


これはプレゼントというより約束の証ね,と悪戯に笑ったおかあさんの横で,縁は俺の持ってるものによく似たネックレスを手に下げてニッと笑った


俺が大切だと思った人…



「どうせ静だろ?」


「さあな」


「何音緒のくせにはぐらかしてんの?」


面白そうに縁が言うから恥ずかしい,といった理由ではぐらかしたのではない


というより,俺ははぐらかしたつもりは更々なく,むしろ縁(なんか)に本音を晒したつもりのだけど本人は全く気付いていない