誕生日の夜はあのまま真っ直ぐマンションに送ってもらい,母さんとは別れた


夜遅くにも関わらず静たちはみんなでリビングに集まり,『誕生日だから』と俺の帰りを待ってくれていた


軽くご飯を食べた後には,プレートに『HAPPY BIRTHDAY NEO』と書いてあるケーキが出てきたり,プレゼントをもらったり


17になったばかりの俺はすごく楽しい時間を過ごさせてもらった




翌日


縁を通じて施設に呼び出された俺は,初音のに会いに行きたいがために,早くマンションを出て施設に向かう


行きの電車で初音に遅くなるとメールをすると,すぐに『ゆっくりしてきてね(^^)』と返事がきた


それから施設に着くまでの間は,ずっと初音とメールをしていた



「音緒おかえりっ」


声のした後ろに振り返ると,スーパーの袋を両手にぶら下げている奈緒子がいた



「ただいま
 縁は?」


「まだ寝てるんじゃないかな?
 昨日も帰ってくるの遅かったし…」


奈緒子から荷物をもらい,歩くスピードを合わせる


『ありがとう』と笑った奈緒子の目の下にはクマが出来ていた