star dust

何で病院なんだ……?



「ピアスの穴,今すぐにでも開けたいんじゃない??」


ニヤリと笑った母さんに,やっぱり敵わないなぁと再認して,青井さんに『お願いします』と頭を下げる


数十分後にはもう俺の耳に新しく2つの穴が開いていた


まだシリコンピアスを付けてなきゃだめだけど,1日でも早く初音からもらったものが付けたかったから,今開けてもらえただけでもすごく嬉しかった


短い作業時間の中で優しい雰囲気の青井さんは母さんと色々なことを話してくれた


といっても3分の2くらい2人の世界に入ってたから分かったことは,母さんにといっての青井さんは恩人


青井さんにといっての母さんは手の掛かる妹みたいな存在……だと会話を聞いてる限りは思ったんけど,青井さん本人は母さんは“光”だと言った



「今日は遅くにごめんねっ」


「ありがとうございました」


「いいのよ
 また遊びに来てね,未緒,音緒くん」


1時間くらい居た病院を後にし,マンションまで送ってもらう



「病院ありがとな
 ……初音のことも
 病気のこと,あとは初音の口から聞く
 待つよ俺」