star dust

少しはしゃいだだけでも止める…鳥かごに閉じ込めるようなマネをしてしまうんじゃないか?


今,初音が病院から出られないように,病室からも出られなくするんじゃ……?


そう考えるとゾッとした


知らない事がいいことだなんて思わない,けど,知ることが出来たのが“今”でよかったんじゃないだろうか



「もういいよ
 泣きそうな顔してるってことは母さんも辛かったんじゃないの?
 俺は大丈夫…ってか今大丈夫になったから」


「ごめんね音緒ぉ…」


「わ−っわかったから泣くなって!
 で,どこに向かってるんだ?」


慌てて話題を変えようと聞くと『もうすぐ着くよ』と返ってきた


全く質問の答えになってないんだけど…と思っていると白を基調とした外国って感じの大きな家の前に止まった


何も言わずに降りていく母さんに続いて降りると,チャイムも鳴らさずに家の中に入っていく


戸惑いながらも恐る恐るドアを開けると家とは違う内装,そして母さんと話している白衣を着た女の人



「はじめまして音緒くん
 ここの院長の青井です」


優しそうな笑みを零す青井さんが誰かに似ていると感じて,『あっはじめまして…』と少し挨拶がマヌケになってしまった