star dust

ワンテンポ遅れて首を左右にふり,『違う!』って必死になってる初音の頭を撫でる



「音緒ちゃん…?」


「今日もギリギリまでいるからな」


初音の不安を拭ってやりたくて当たり前のことを口にした


けど初音は『ありがとう』と特別なことのように愛おしそうに言った



「プレゼントもあるんだぞ」


「ねぇ…今日はクリスマスじゃなくてイブだよね?」


そう,いかにもクリスマスみたいに過ごしてるけどまだイブ


『分かってる』と返事だけしておく


明日には明日の楽しみがあるんだから



「飲み物買って来たよ−」


タイミング良く戻って来た母さんの手にはいちごオレとお茶,そして紅茶


全部HOTらしく母さんは名残惜しげにお茶をくれた


初音はいちごオレを嬉しそうに受け取り,冷ましながら飲んでいた



「それ好き?」


「うん!」


数少ない初音の“事”ちゃんと覚えていたい


今度は俺が笑顔にするんだ