疑問に思いながら角を曲がる


すると飛び込んでくる黒い影


咄嗟のことに避けきれず,俺達は転んでしまった



「大丈夫か??」


そう言って手を伸ばし驚いた


病院で走り回っていただろう黒い影


予想ではガキ,それも男だった


でも実際目の前にいるのは…


色素の薄い茶色いふわふわの髪


色白の肌にくりくりの瞳


白いケープを羽織っている女の子


ガキの予想は外れてないが


17の男が素で『天使みたい』だと思うくらい可愛いかった


話し方は口調とか柔らかくて敬語っぽくて…


とか馬鹿みたいに想像している俺って相当やばいな



「あっいた!!
 走っちゃ駄目でしょっ」


駆け付けた看護士に怒られてる女の子は,自分が悪いだろうに…



「だって暇なんだもん」


と何やら逆ギレ



「それに今日は特別な日なんだからっ」


なんだか俺の想像を見事に砕いてくれる話し方なんだけど