「はじめま−して」


俺の後ろからぴょこっと出て来た縁に初音は目を丸くした


しばらくして初音は理解したらしく縁に笑顔を向ける



「縁くんですよね?
 はじめまして初音です」


この時ムッとしたのは一生の秘密


だって格好悪いだろ?



「音緒ちゃんありがと!」


縁が初音を笑顔にした


…けど初音が笑顔でいるならいいや


そっからが大変だったのなんの


初音は縁に『普段の音緒ちゃんってどんな感じ?』とか,逆に縁も初音に『初音の前の音緒はどんなやつ?』とか聞く


恥ずかしいから止めてくれっ!


…って何回言っても駄目だった


大体叶うはずがない


こいつら最強タッグだよ


この日は面会時間ギリギリまで話していた


そのあとも大変だった


母さんが3人でご飯を食べようとか言い出して,縁はそれに乗っかるし


飯食いに行ったら縁は俺をからかうしでもう疲れた


けどまぁ…楽しくもあった


また…と思えるくらい


けどそれはよかったのかな


始まりは翌日だった