「あっ音緒兄と縁兄だぁ!」


1人のガキがそう言った瞬間,俺達はたくさんのやつらに囲まれた


奈緒子はそんな俺達から離れ,ちらっと視線を寄越したかと思うと,ニタッと笑って部屋に消えていった


あいつ…覚えてろよ


30分後


何とか解放された俺達はおかあさんの部屋にいる


ソファーで寛いでいるが…縁の機嫌はかなり悪い



「久々に帰って来たと思ったら…縁
 あんた少しは愛想よくしなさいよ」


呆れ顔のおかあさんに縁は更に機嫌を悪くする


ったくガキかっての


奈緒子にやられたくらいでさ



「で今日の用件は何?」


おかあさんの言葉に縁は鞄から青いファイルを取り出し,テーブルの上に放った


その勢いでファイルが開く


そこにはたくさんの新聞の記事,それにルーズリーフや付箋紙に書かれた縁の字


全く理解出来なかった


だけどよく記事を見ると全部同じ事……事件の事が綴られていた