みんなのいるマンションに帰ると珍しくリビングに明かりが付いていた


この頃,俺は日付が変わってしまった後に帰ってくる


病院とマンションの距離が離れているから必然的に


おかげでなるべく離したい距離も離れているからいいんだ



「おかえり」


そのまま部屋に行こうとしたのに,リビングから出て来た…静に手招きされた


荷物だけ部屋に置き,俺はリビングに行く


すると千香までいて驚いた



「この間…翠さんの赤ちゃん産まれたの」


「まじ!?
 男?女?
 名前は!?」


翠さんは俺にとって大切な恩人なんだ


あの人がいなかったら…俺に今の生活はない


静や千香,拓海に実,そして母さんと初音にも会えなかっただろう


みんな大切な人で,会えてなかったら何て考えられないくらい


こんな毎日をくれた翠さんには感謝してもしきれない


そんな翠さんの幸せ話に興奮するのは当たり前だろ?



「女の子だよ−!
 静奈っていうのっ」


嬉しそうに話す静に俺は癒される