着いた病院は知らない所でホッとした
運ばれていくあの人を茫然と見送り,昌さんに引っ張られる形で病院の中に入った
待合室で待っている間は昌さんの奥さん自慢を聞かされていて,ん−…何ていうか“幸せ”なんだなって分かった
励ますつもりでなのか,内容は殴られたとか喧嘩しただとか可哀相な内容ではあったんだけど
奥さんを愛してて愛されてるってのが伝わってくる
思わず頬が緩んだ時,昌さんの『おっ』と驚く声と
「栄口さんの息子さんですか?」
そう俺を見て言う看護師の声が重なった時,緩んだ頬は一瞬にして強張った
あの人栄口っていうんだ……
動かない体に対し冷静な頭
「いってぇ…っ」
ふわっと甘い香りが鼻を掠めたと同時に首に衝撃がくる
上を見ると頭の上にのしかかっている昌さん
甘い香りは奥さんからの移り香りか……
くすくすと俺の上で笑い,肩をポンッと叩いた昌さんは『聞くだけくらいはしてあげなよ』と何も話してないはずなのに分かってるみたいな顔して言った
そんな昌さんのこと不思議と……嫌いじゃないんだ
運ばれていくあの人を茫然と見送り,昌さんに引っ張られる形で病院の中に入った
待合室で待っている間は昌さんの奥さん自慢を聞かされていて,ん−…何ていうか“幸せ”なんだなって分かった
励ますつもりでなのか,内容は殴られたとか喧嘩しただとか可哀相な内容ではあったんだけど
奥さんを愛してて愛されてるってのが伝わってくる
思わず頬が緩んだ時,昌さんの『おっ』と驚く声と
「栄口さんの息子さんですか?」
そう俺を見て言う看護師の声が重なった時,緩んだ頬は一瞬にして強張った
あの人栄口っていうんだ……
動かない体に対し冷静な頭
「いってぇ…っ」
ふわっと甘い香りが鼻を掠めたと同時に首に衝撃がくる
上を見ると頭の上にのしかかっている昌さん
甘い香りは奥さんからの移り香りか……
くすくすと俺の上で笑い,肩をポンッと叩いた昌さんは『聞くだけくらいはしてあげなよ』と何も話してないはずなのに分かってるみたいな顔して言った
そんな昌さんのこと不思議と……嫌いじゃないんだ


