結局そのあと少し“大切な人”の話を聞いて俺は母さんの家に帰った



とりあえずゆうさんの縁へのが態度が変だった理由は分かった


そして話を聞いていると本当にその大切な人と縁は似ているということも分かった



けど,何かひっかかるんだよな−……




「音緒ちゃん聞いてる?」



ヒラヒラと手を振っている初音を視界に捉えた俺はその問いに『聞いてるよ』と返すが,もちろん何も聞いていなかった



やれやれと首を左右に振る初音にはどうやら何もかもお見通しらしく,もういいよ,と言わせてしまった




「初音ごめんな−」



初音と一緒にいるのに駄目だな俺



自己嫌悪のためかベッドについているテーブルに突っ伏……そうとしたら,先約か目の前にいろんな色で彩られている雑誌が広がっていた




「雑誌とか読むんだったか?」



「最近暇潰しに読み始めたんだよ
 未緒ちゃんが買ってきてくれるんだ!」



サイドテーブルを開けると何冊か雑誌が入っていて女の子だなぁと微笑ましかった