「音緒ちゃん!?
 今日はもう来てくれないのかと思った!」


「悪い,縁のとこ居てさ」



縁くんと一緒だったんだ,と笑う初音を見て昨日の事を思い出す


ゆうさんとのやり取りを



“坂上結”と名前を出した後,ゆうさんは『私の名字は花崎よ?』と切り返してきた



それはお母様の名字じゃないのか,という疑問が生まれたと同時に『ちなみに母は長谷川』とあっさり解決



「じゃあ単刀直入に…
 縁の姉はあなたじゃないんですか,ゆうさん」



「縁ってさっきの友達?」


頷くとゆうさんは初対面だと答えるがどう見てもそうは思えない



疑いの眼差しを向けると降参とでもいうように両手を挙げてはぁと軽く溜息を漏らす



が口から紡がれた言葉は




「彼が私の大切な人にすごく似ていたの
 もう本当にそっくりで驚いたわ
 偶然って凄いね
 私と初音ちゃんが似てて縁くんが私の大切な人に似てて」



本当に愛しそうに話すのを見てゆうさんが坂上結だというのは見当違いなんじゃないかと考えを改める



,他人なのに初音とゆうさんが似てるんだからそういうこともありえるんだよな