やめた,面倒臭いと思った俺は周りが見えていなさそうな縁に背を向けて病室へ戻ろうとする
……が,俺の腕をガッシリ掴んだ縁は助けてとでもいうように目を潤ませる
「音緒く−ん!
お姫様がご立腹よぉ?」
鈴の音のような声に振り返ると『何してるの?』と俺達を見てコロコロと笑っているゆうさん
無意識にゆうさんの名前を口にした瞬間,縁はほんの数秒前までの子猫みたいな表情を一変させて振り返る
のはいいが,姉のことを覚えていない縁にとってはゆうさんの顔を見ても分かるはずなく,俺の肩に額をつけ『ほんと初音にそっくり』と呟いた
一方のゆうさんは……
目を大きく見開いてい…る……?
俺と目が合ったと思ったらいつもの穏やかな笑みを浮かべるゆうさんだったけど
俺の気のせい…
だなんて思えるわけがない
今まで捜して来てここまで色々な条件が揃っているのはゆうさんただ一人だったが,名字が違う事,そして初音に酷似していることも少なからず影響して“白”だったんだ
けど今のゆうさんの顔……絶対何か隠してると思ってしまう
限りなく黒に近いグレーだ
……が,俺の腕をガッシリ掴んだ縁は助けてとでもいうように目を潤ませる
「音緒く−ん!
お姫様がご立腹よぉ?」
鈴の音のような声に振り返ると『何してるの?』と俺達を見てコロコロと笑っているゆうさん
無意識にゆうさんの名前を口にした瞬間,縁はほんの数秒前までの子猫みたいな表情を一変させて振り返る
のはいいが,姉のことを覚えていない縁にとってはゆうさんの顔を見ても分かるはずなく,俺の肩に額をつけ『ほんと初音にそっくり』と呟いた
一方のゆうさんは……
目を大きく見開いてい…る……?
俺と目が合ったと思ったらいつもの穏やかな笑みを浮かべるゆうさんだったけど
俺の気のせい…
だなんて思えるわけがない
今まで捜して来てここまで色々な条件が揃っているのはゆうさんただ一人だったが,名字が違う事,そして初音に酷似していることも少なからず影響して“白”だったんだ
けど今のゆうさんの顔……絶対何か隠してると思ってしまう
限りなく黒に近いグレーだ


