和臣に初めて会ったのは、夜の歓楽街だった。





キャッチがうるさい。あたしは話しかけてくる男をすべて無視して、肩で風を切る。誰もあたしを17歳とは思わないようで。派手なメイクはあたしを護るシェルターだ。

「おい春海、あれお前の高校の制服じゃね?」
「あん?」

仲間の指さす方を見る。確かに。銀縁眼鏡のどことなくツンとした男子生徒が、何人かのスーツの男に囲まれている。