あたしはだれも信用しない。信じるものは己のみ。この身体がすべて。独りで立つのがあたりまえ。



そう思ってた。

和臣に会うまで。



和臣は銀縁の眼鏡の奥からあたしを射抜くように見つめる。息が止まりそうになる。

あれは世界で一番いい男だ。