「愛子さん、どうして…」

ショックな顔をして、有栖川が私を見る

どうして?

それはアナタが、そうしたからでしょ?

華道の世界で生きていけなくしたから…私は別の働き口を探して生きていかないといけなくなった

ただそれだけのこと

「有栖川先生は、何を飲みますか?
ビール? ウイスキー?
それともカクテルですか?」

私は、質問をする

有栖川の顔が曇った

「僕の質問に答えてください」

「その前に飲み物を決めてください」

「なら、愛子さんの好きなもので結構です」

有栖川の口調が、きびしくなる

私は水割りを作ると、有栖川の前に置いた

「質問してもいいですか?」

「嫌です」

「どうしてこんなところでバイトしているんです?」

「お答できません」

有栖川の眉に皺が寄った