僕様王子に全てを奪われて

私は起き上がると、よろよろと置きあがると居間に向かった

あれ?

もしかして冷蔵庫を開けたら、「食べてね」と言わんばかりの食事が入ってるってことがない?

私はキッチンに視線を送った

「…て冷蔵庫がないし!」

私は居間のソファに座ると、鞄の中からメモ用紙を出した

メールのアドレスを打つ気力もないや

電話しちゃえ

呼び出し音を6回、聞いたところで有栖川が電話に出た

『もしもし?』

「あぁりぃすぅがぁわぁ……」

『その地を這うような声は…愛子さん?』

有栖川が失笑しているのが、わかった

すごく嬉しそうな声なのもわかる

なんか、有栖川の計画にハマったような気がした

もしかして…食事の用意もせず、冷蔵庫もないのは有栖川の計画的犯行?

私が空腹で電話してくるのを待っていたとか?

お金がないのも、きっと知っていたんでしょ!

なんか頭にきた

けど…空腹は耐えられない