僕様王子に全てを奪われて

「…お、お腹、減ったぁ」

私はばたんとシングルのベッドに倒れ込んだ

読んでいた本は床に落として、枕に置いておいた携帯を見つめる

まだ2時だ

有栖川から連絡がくるまでまだ2時間もある

お腹が減り過ぎて、気持ちわるっ…

喉も乾いたよ

あー、気がついたら4時に…ってなってないかなあ

『僕は、愛子さんの全てが欲しいんです
僕なしでは生きられないって言わせたいくらい…』

昨日の有栖川の言葉を蘇ってきた

「言わん」


『言わせるよ、僕が…
現に、すでに僕がいないと生活できないでしょ?』

「確かに…空腹は切実な問題です
どうにかしてぇ…」

私は携帯を手に取ると、アドレスから有栖川の名前を探した

一通りに眺めるが、有栖川の名前がなかった

「あ…そっか
まだ登録してなかった」