私は目を開けて、起きあがると

廊下でうずくまっている有栖川を見た

お腹を抱えて、真っ赤な顔をして必死に笑いを堪えている

「な…何よ!
人がせっかく…」

「…っくっく、わかってます
わかってるんですけど…可笑しくて」

「何が!」

「だって…
もう駄目だぁ」

有栖川は床に手をつくと、「あはは」と声を出して笑い始めた

時より、廊下をばしばしと手のひらで叩いている

「はあ…愛子さん、色気なさ過ぎ!」

有栖川が笑いの合間に、口にする

私は頬を膨らませると、キッと有栖川を睨んだ

「当り前よ
私はまだ15歳だもの
色気なんてないわよ」

有栖川の笑いが落ち着いてくると、立ち上がって部屋の入口に立った

「そう? 15歳でも色気のある子はいるよ?
普通に、僕を誘ってくる子も…」

「ふうん…なら、その子とエッチすれば?」

「生徒だから
どんなに身体が疼いても、理性で我慢しないとね」

有栖川がにこっと笑った