…だからって

簡単には出ていけそうにないし…

うーん…もう、なるようになれって感じ!

私はずかずかと廊下を歩いて、ベッドのある部屋のドアを勢いよく開けた

シングルサイズのベッドと、なんだかよくわからない本がたくさん並んでいる本棚に

机が置いてある室内に足を踏み入れた

ベッドに横になった私は大の字になると目をぎゅっと閉じた

「好きにすればいいわ
抱きたいなら、さっさと抱けば?」

30秒くらいじっと待っていた気がする

いつまで経っても、有栖川が部屋に入ってくる気配がない

そのかわり廊下から「くっくっく」と失笑しているのが聞こえてきた

はあ?

人がせっかく意思を固めたのよ

何で笑ってるのよ!