高層マンションの13階に、有栖川の部屋があった

ちゃんと玄関には『有栖川』の名が書いてあった

4LDkの広い家だった

はあ…いくらしたんだろう

都内で4LDKだよ?

何億とかするの?

ウン千万?

私にはわからない世界だ

家にあがるなり…失礼だとはわかっていても各部屋を見て回った

「あまり…来ないから
片付いてないけど…って何をしているんですか?」

いろんな部屋のドアを開けては電気をつけて回っている私の背後で、有栖川が不思議そうな声をあげる

「部屋がたくさんあるなあって思って」

私の言葉を聞いた有栖川が、口元に手をあてるとくすくすと笑いだした

「何を言ってるんですか?
愛子さんの家のほうがたくさん部屋数があったじゃないですか」

「もう…私の家じゃないわ
誰かが買ったもの」

「…僕が買いました」

「え?」

私は居間に入る前の廊下で足を止めると、有栖川に振りかえった