「ありがとう、有栖川」

私、有栖川がいて本当に良かったと思ってるんだ

あんなに苛々してたのに…ね

今は、有栖川がいないと苦しいよ

冷たくしないで

私を温かい目で見ててよ

「有栖川、ずっと一緒にいてよ
もう…一人にしないで」

嫌だよ

竜ちゃんみたいに…他の女性を連れてこないでよ

やっぱ…無理…って言わないでよ

お願いだから

私を一人にしないで

私には有栖川しかいないんだから

私は両手を広げると、有栖川に抱きついた

「私…有栖川がいないと生きていけないんだから…」

有栖川の手が私の背中に回った

「ほら…僕なしじゃ生きられないって言った」

有栖川の嬉しそうな声が頭上から聞こえてくる

「有栖川が言わせたんだ」

「今回は…言わせてないよ?」

「嫌いっ!」

有栖川がポンポンと私の背中を叩く

「僕は愛子さんが好きだよ」




「俺様王子に全てを奪われて」
  
         終わり


「俺様王子に全てを奪われて2」に続く