「近々、僕の家に行きませんか?」

「え?」

だって…有栖川のお母さんは滝沢家を怨んでるんでしょ?

私は困った顔をして、首を横に傾けた

「僕が母に見せたいんです
きっと嫌味を言われ放題、言われるんでしょうけど
僕は愛子さんじゃないと駄目だというのを見せたいんです
ただ我が儘…なんでしょうけど」

有栖川が苦笑した

「言われ放題、言われたら…言い返していいの?」

私がにっこりと笑う

「どうぞ、気のすむまでどうぞ」

「なら、行ってもいいよ
…ずっと隠れてるのも…ねえ」

「ありがとう」

「あ…高波計画が終わってからでもいいでしょ?」

「ええ」

有栖川が私の額にキスを落とした

「無理はしないでくださいよ」